• 和装士をするHさん

    自宅で開業することもできる和裁士は、子育て中の人などにとっても魅力的な仕事です。ライフスタイルに合わせた働き方ができて、日本の伝統文化を守ることもできるのですからやりがいを感じることもできます。

    しかし、自宅を仕事場にする場合の注意点もいくつかあります。実際に自宅を工房にしている和裁士のHさんにお話を伺いました。

    Hさん「和裁はまち針をたくさん使いますし、そのほかにも鋏など子どもの手の届かない場所に置いておかなければいけない道具が結構あります。私もまだ子どもが小さいので、とても神経を使っています。小さな子どもがいる場合は、狭くてもかまわないので作業用の部屋を確保してそこに絶対に子どもを入れないようにするのがベストだと思います。実際、うちもそうしています」

    そんなHさんが仕事に集中できるのは、お子様が就寝した後の夜の9時以降だそうです。

    Hさん「子どもが起きている間はどうしてもそちらにエネルギーを集中しないといけないので、作業時間はどうしても深夜になってしまいます。でも、昼間は子どもと一緒にお昼寝することもあり、睡眠不足というほどではありません。作業時間を確保するために夜更かしさせることもありませんし、結果的に親子ともども良い生活習慣を身につけることもできました。納期にゆとりのある仕事を選べば追われることもありませんし、今のところは子育てと上手く両立できていると思います。今はまだゆっくりとしたペースでしか働けませんが、それでも一日のうちに数時間だけでも自分のしたいことをしているという充実感もあります」

    そんなHさんの夢はいずれは和裁を教える先生になることだとか。

    「母校である和裁専門学校で教えることができればベストですが、自宅でこぢんまりと和裁教室を開くのもいいかなと思っています。子どもが小学生ぐらいになったら、親子で参加できる和裁ワークショップなども実験的に取り組んでみたいと思っています。和裁士の数は年々減っているとも聞きますが、着物の魅力を一人でも多くの人に伝えることができればいいなと思っています」